介護は、ある日突然始まります。
そして、仕事と介護の両立が難しくなった結果、「介護離職」を選ばざるを得ないケースも少なくありません。
こうした介護離職を防ぐため、“改正育児・介護休業法(2025年施行)”では、企業に対して「情報提供(周知)」がより強く求められるようになりました。
今回は、実務上とくに重要な「介護離職を防止するために重要となる情報提供」について、ポイントをわかりやすく解説します。
目次
介護離職防止のために会社が行うべきことは「2つ」
改正法では、介護離職を防ぐために、会社として以下の2つの対応が求められています。
① 介護に直面した従業員への個別周知+意向確認
従業員から「介護に直面している」旨の申し出があった場合、会社は
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介護休業制度等の内容を周知し
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制度を利用するか否かの意向を確認する
必要があります。
「相談があれば申し出てください」と伝えているだけでは足りず、制度内容を会社側から説明し、取得意向の確認を行うことが重要です。
② 介護に直面する前の段階で「40歳の従業員」へ情報提供
もう一つが重要な点です。
介護の問題は、本人が要介護になる前に「親の介護」として直面するケースが多く、
その備えとして、企業には早期の情報提供が求められています。
具体的には、会社は「40歳の従業員」に対して、介護休業制度等の情報提供を行う必要があります。
「40歳の従業員」への情報提供はいつ行う?
対象者への情報提供を行うタイミングは、次のどちらかを選ぶ形です。
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① 40歳に達する日(誕生日前日)の属する年度
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② 40歳に達する日の翌日(誕生日)から1年間
実務上は、誕生日ごとに管理すると煩雑になりやすいため、
「年度」でまとめて実施する運用が分かりやすいでしょう。
2026年3月31日までに対応が必要なケースあり
もし会社として「①年度」を選ぶ場合には、
2026年3月31日までに対象者へ情報提供を行う必要がある点も重要です。
該当者がいる企業は、早めに対象者を洗い出し、対応を進めましょう。
情報提供の対象は40歳だけでなく「全従業員」でもOK
制度上は「40歳の従業員」への情報提供が要件ですが、
実務上は
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毎年、40歳以上の従業員を対象にする
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さらに広げて「全従業員向け」に周知する
というやり方も有効です。
仕事と介護の両立は今後ますます重要になります。
「年1回の定例業務」として運用に組み込む企業も増えていくでしょう。
情報提供の方法は?(面談でもメールでもOK)
情報提供の方法は、以下いずれかで行うこととされています。
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面談
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書面交付
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FAX
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電子メール など
また、周知に使う資料については、厚生労働省ホームページに支援ツールが掲載されており、活用が可能です。
まとめ|「介護の制度」は“早めに知らせる”が離職防止につながる
介護は突然始まります。
だからこそ、従業員が困ってから制度を探すのでは遅く、会社側が先回りして情報提供を行うことが重要です。
とくに「40歳」という節目での情報提供は、今後の法対応として必須となります。
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「うちは何から着手すべき?」という段階からでも、お気軽にご相談ください。